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Off Time Vol.02
東京屈指の名店である和菓子屋さん"塩野"の店主、
高橋博さんにインタビューをさせていただきました。
『和菓子作りも、合気道も体の中心で行う!』和菓子のことから合気道のことまで、
本当にたくさんのことをお話していただきました。('05.6月)

---天道館に入門される以前に合気道をされていたそうですが、そもそも高橋さんと合気道との最初の出会いは、どのようなものだったのですか?
自分は体が小さかったものですから、元々武道には興味があったんです。最初は、大学生時代に少しだけやって、その後も町道場に行ったりしたのですが、二年ほど続けてよくわからないまま仕事が忙しくなり、辞めてしまいました。

---天道館のことはどのように知ったのですか?
実は、従業員が合気道をやっておりまして、三軒茶屋に道場があると聞き、まずは見学へ行くことを決めたんです。この歳になってまた何か始めたいという気持ちと、昔やっていた合気道ならできるだろうと、これはちょうどいい機会だと思ったんですね。見学をして一週間考えた末、お世話になろうと決めたのです。驚きだったのが、清水先生のビデオを家族に見せたら、娘がやりたい! と言ってきたんです。私が入門して一ヶ月後に娘も入門させていただき、今では家族で合気道の話題が本当に多くなりました。

---何か合気道から得たことや、学んだことはありますか?
 的確な判断が出来るようになったことです。あとは、いい意味での勇気や、度胸を持てるようになったと思います。仕事の場において、いいものはいい、悪いものは悪い、とはっきりと言わなければいけない時というのは、本当によくあるんです。

---では、話題を変えて…、なぜ和菓子作りの道へ進もうと思われたのですか?
 家を守りたかったからですね。先代である父は厳しい人でした。怒るとすぐ手を上げるタイプの人間で、おまえはダメだダメだと言われながら和菓子作りを学びました。そんな、厳しい親父には反発をしながらも、どうにか守っていきたいという強い気持ちがありましたね。でも、親が亡くなると親孝行したくなるとよく言いいますが、本当にその通りです。今思えば、もっと親父から職人の気持ちを学びたかったですね。




---二代目であるプレッシャーのようなものは無かったのですか?
 親父の時代から一緒に働いていた古い職人達に厳しいことを言われるんです。あれをやれだの、これをやれだのと。頭にきてカッとなるんですけれども、先輩なので何も言えないんですね。でも、いざ実際に自分でやろうとすると出来ないわけなんです。これではいけないと思い、逆にこれが発奮材料にもなりました。独学でもいろいろと勉強をして、国家試験である和菓子免許一級を取得しました。親父が死んでからは本当に茨の道でしたね。経営がうまくいかず、悩んだ時期もありました。その時は家族にも迷惑をかけましたね。

---お仕事でいつも心掛けていることはありますか?
 のれんがこの先も続いていくように、しっかりとしたものを作っていきたいということです。あとは、どのお客様に対しても同じように接することでしょうか。やはり「美味しい」と言っていただけることが何よりもの喜びです。
 先日、小さなお子さん連れの親子がお店にみえたんですね。坊やの方は和菓子にとても興味があるみたいで、お菓子を並べているガラスのケースに顔を引っ付けて目をキラキラさせているんです。お茶と小さなお菓子を出してあげると、両手でほおばりながら「美味しい、美味しい」と言ってくれて…。

---和菓子作りに限らず、高橋さんがお考えになる"一流"とはどのようなものですか?
 自分の商売に責任を持つ、ということではないでしょうか。

---リラックス法はありますか?
 そうですね〜、12月31日の忙しい仕事が終わって、ぶわーっとお風呂に入る時ですかね。あとは天道館の温泉合宿です。あれはいいですね〜、天道館のみなさんと楽しい時間が過ごせていつも楽しみにしています。去年は少し飲み過ぎてしまいました(笑)。
 普段のことからですと、一日の仕事終わりに、家族と食事をとりながら笑い合うことですね。合気道の話題も本当によく出ます。

---お菓子作りと、合気道に共通点があったりしますか?
 技術的なことで言いますと、やはり中心を保つということです。よく従業員に注意をするのですが、肩に力を入れず、背筋を伸ばし、体の中心でお菓子を作るように言います。

---なるほど。お饅頭とかですね?(笑)
 そうです、そうです!

---では、高橋さんの合気道のこれからの目標を教えていただけますか?
 一番は、若者達の見本になりたいですね。あとは天道館には多くの外国の方々がみえるので、その人たちに日本人として恥ずかしくないように、技の面でも、気持ちの面でもしっかりとしたものを身につけたいです。

---では最後に、これから合気道を始めようか考えている方達にメッセージを!
 いい若者を見つけると合気道を勧めてしまうのですが、信念を貫ける人間になりたいならば合気道をやりなさい、ということですね。悪いものに染まらないで、自分を活かせる人間になってほしい・・・合気道にはそれができる力があると思います。

<御菓子司 塩野>
ホームページ/http://www.siono.jp/index.htm
電話/03-3582-1881  FAX/03-3589-3802
〒107-0052 東京都港区赤坂二町目十三番地二号

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